旅のレポートをまとめてみよう

2012-01-14

文章を書いたり、人に体験を伝えることが好きな人なら、印象に残った旅の様子を1度まとめてみることをおすすめする。専門誌に投稿したり、ウェブサイトに発表するばかりではなく、メールマガジンのように仲間に読んでもらったり、写真にコメントをつけるだけでも楽しい。絵心がある人なら、印象に残った風景を思い出しながら描いてみるのも、とても素敵だ。レポートをまとめてみようとするとき、私はまず地図を広げ、道を辿りながら、順繰りに出会った風景や出会った人を思い出してゆく。

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書き始めようと思ったとき、実はそれほど全体のテーマは明快ではない。ところが、ある時点まで進むと、そこが事象の特異点でもあるかのように、突然、なぜ自分がそこを旅したかったかが、おぼろげながらにせよ、理解されることがある。先日、どこかの駅で発車のベルがなる夢を見た。その情景に達するまでに、いちおうの話の筋があった。目覚めたら、目覚まし時計が鴫っていた。おそらくは、時計の音が刺激になって夢を見たのだろうが、不思議なことにそれは夢の中では、物語の最初ではなく、最後になっていた。そういうことがあるのだということを読んだことはあったが。夢の内部では時間の逆転が起こりうるようだ。適切なたとえ話かどうかはわからないが、私にとって自転車の旅の意味を探り、文章にしてみることは、自分も他者もその中に放り込まれた、巨大な見えざる書物のいくぶんかを、逆から辿って私自身にも理解できる言葉に置き直してみる、幼い試みなのかもしれない。その書物の名は誰にも言い当てることができないが、それは存在している。