来るべき循環型社会では、新品市場と二次流通市場は共生すべき相互関係にあるというが、Nさんが指摘するのは着物業界だけの話ではない。日本全体を指しているのだ。「大量生産・大量消費に立脚した資本主義経済型の価値観は終焉を迎え、地球環境との共生を目指す循環型経済社会の到来を目前に、その価値観を色濃く反映した伝統文化を持つ日本人こそ、新時代をリードしなければならないのではないでしょうか」そして、着物という日本の伝統文化を伝えるたんす屋、リサイクルで地球環境に貢献するたんす屋が、その使命を担っているというわけである。「リサイクル着物は“着物市場革命”を起こす最たるものだと思っています。新品市場をも活性化させ、売り手と買い手の垣根を取り払えれば時流に乗ります」そう自信たっぷりに語るNさんだが、社会全体の動きを見つめるマクロ的な目と、一人一人の客からのアンケート結果に確実に目を通すミクロ的な目、両方の目をしっかりと開けている限り、「十年以内に五〇〇店舗」という計画が易々と達せられても何ら不思議ではない。