住宅の機能性

2011-10-13

わたしは住まいを解体することから始めた家族の実像は見えにくい。見えにくいからこそ人は住まいに心血を注ぐ。家族を形として確認できるのは住まいしかないのである。わたしはこれまで住宅に興味を感じたことはなかった。自分がひとり暮らしであるということもある。だが、家族のあり方が気になりだしたとき、あの精神科医のいうように、住まいはどうなのだという疑問が沸々とわき起こってきた。いま住宅はどうなっているのか、人々は住まいに何を求めているのか?それを知ることは現在の家族の実相を明らかにすることに通じるかもしれない。だが、いったい何から手をつければいいだろうか。住宅とひと口にいっても千差万別である。プレハブ住宅がグッド・デザイン賞のグランプリをとった、というニュースを耳にしたのはその直後だった。グッド・デザイン賞=Gマーク制度というのは、一九五七年に通産省により設立された制度で、デザインの優れた商品を民間の識者が選定するというものだ。わたしにはGマークのグランプリといえば家電や車しか思い浮かばない。それがどうして住宅なのだろうか。プレハブ住宅は工業製品として、それほど完成度の高いものなのだろうか?Gマークはデザインとともに機能性を重視する賞のはずだ。住宅の機能性といえば、すなわち暮らしや家族のあり方に密接に関連してくるはずである。