「飾ること」の意義がちがってきた

2010-12-27

極彩色からくすんだ単色ヘーペローが述べているように、フランス革命は、貴族的な華美豪奢の美意識を否定して、地味な単色をあえて選びとったのである。ダークトーンを基調にした現代のメンズーファッションのベースはまさにここに始まったのだ。ちなみに、いま引用した箇所には、「男性の衣服1黒の勝利」という小見出しがついている。近代は、きらびやかな装飾性に対して《黒》が勝利をおさめた時代なのである。ところが、以上のような近代のモード革命はもっぱらメンズーファッションの領域に限られていた。女性ファッションのスタイルは、一八世紀も一九世紀も変わることなく、「飾ること」と「秘めること」を技法にしていたのである。ただし、「飾ること」にかんして言えば、ブルジョワジーの時代には貴族の時代にもまして装飾性が大きなウェイトを占めるようになった。というより、男性モードの変化にともない、「飾ること」の意義がちがってきたのである。