通りを歩いていて、マンションや戸建ての外壁のモルタルがひび割れているのを見たことがあるだろう。とくにマンションは壁面が大きく高いので目立つ。大きな亀裂もあれば小さな亀裂もある。亀裂がひどくなるとモルタルが剥落してくる。建物は外力に耐えられる構造になっている。したがって、台風や地震にも、構造的に十分な耐力があれば亀裂が入ることはない。しっかりとした構造なら、である。つまり、亀裂が入るということはどこかに欠陥があるということだ。業者に話すと、決まって、「それはコンクリートの特性だ」と言う。コンクリートが収縮して亀裂が入ったというのだ。しかし、コンクリート特性が原因なら、どこのコンクリート壁にも亀裂が入っていなければならない。なのに、まったく亀裂の入っていないコンクリート壁は沢山ある。ただ、亀裂が入ったコンクリート壁がすべて欠陥かというとそうではない。わずかな亀裂ならそんなに気にすることもない。業者が言うように、たしかにコンクリートには収縮特性があって、外力と相乗して小さな亀裂が入ることもある。しかし、コンクリート特性が原因ではない、悪性の亀裂もあるのだ。壁面いっぱいに亀裂が入っている場合には疑う必要がある。とくに、反対側の壁面にも同じような亀裂が入っていたら、その建物が外力で一方向に傾いた可能性がある。マッチ箱のカラを斜め方向に押すと箱が変形する。そんな状態だと思えばよい。